春の庭で第１５１回芥川賞を受賞した柴崎友香さん

春の庭で第１５１回芥川賞を受賞した柴崎友香さん、

いったいどんな作品か？

取り壊し予定のアパートに住んでいる太郎は、近くの水色の家を、

観察するイラストレーターの西という女性と知り合います。

その家は、２０年前に暮らしていた夫婦の生活を収めた写真集、

春の庭の舞台で、西は中に入ってみたいと願っていました。

やがて水色の家に、新しい家庭が引っ越してきます。

場に蓄積した記憶が人の訪れによって立ち上り、

現在の時間と多層的につながっていきます。

過去と未来の景色の連結を、日常の営みの中で表現した秀逸な小説です。

柴崎友香さんはデビュー以来一貫して身近な町の風景を丹念に眺めるように、

描いてきました。

最新作春の庭は４度目の候補で芥川賞を受賞した中編小説です。